レコードのクリーニング

 原則的に、CD化のためにお預かりしたレコードのクリーニングはしていません。せいぜい静電気防止ブラシで埃(ほこり)を払う程度です。目で見て明らかにわかる汚れは湿った布で取り除きます。
 あるとき酷いレコードが持ち込まれました。昔、レコードはジャケットの中の紙の袋に入っていました。紙は風通しがよくカビなどは発生しにくいと思われます。事実ノイズは少ないのです。
 これに対してレコード盤は、現在は殆どといっていいほど、半透明の薄いビニール袋に入っています。さらに、ジャケットも透明のビニール袋に入っていることが多くレコードは何重にも密閉されています。埃(ほこり)対策だと思いますが、これがクセモノです。特に高温多湿の場所に放置するとこの密封されたジャケットの中でもカビの胞子が活動するようです。何十年も聞かなかったレコードにはこの傾向があるものが多いのです。
 この持ち込まれたレコードは半透明のビニール袋からどうやっても出てきません。完全にビニールが盤面にくっついているのです。やむなく袋の中に手を入れてバリバリ剥がしながらレコードを取り出しました。見るとレコードのところどころに斑点が見られます。ブラシでなぞった程度では落ちそうもありません。デジタル化して、クリーニングソフトを目いっぱい使っても聞くに堪えない酷い雑音の中に曲が埋もれています。曲の途中で音が飛んでいる部分もあります。
 これではCD化しても使い物にならないので、許可を得て私流のクリーニングをしてみました。結果は見違えるような良質でクリアなサウンドが出るようになりました。音飛びもありません。こんな場合、簡単で効果的なクリーニングの方法をご紹介します。

 用意するもの
 水が噴霧できる小さなスプレー(化粧品の残骸など)、木綿やベルベットの端切れ(メガネ拭きなど)と新聞紙。
 スプレーは、もしあれば、200cc程度の小さなものが使いやすいでしょう。スプレーには普通は水を入れますが、頑固な汚れの場合は台所用中性洗剤を500〜1000倍に薄めたものを用いるのもいいでしょう。
 クリーニング
 先ず、新聞紙の上にレコードを乗せ、盤全体に薄くスプレーして2,3分おきます。次に、目に見える汚れの酷いところをベルベットで擦ります。このとき、必ずレコードの溝の方向、すなわち円を描く要領で拭いて汚れを落とします。目だった汚れが落ちたら盤全体をベルベットで軽く円周状に拭きます。拭いても拭いても白い跡が残りますが、これは空気の気泡なので適当なところでやめます。乾くときれいになります。裏面も同様にクリーニングします。新聞紙の上で5分もすれば乾きます。
 以上、簡単な方法ですが汚れが酷い場合にはかなり効果があります。フリーマーケットで1枚100円で買ったレコードを何枚もこの方法で救うことができました。トライされる方は自己責任において行ってください。

 
Home