デジタルカメラ雑感

 ライカやスピグラで写真を撮るのはこの上ない楽しみですが、仕事ではデジタルカメラの多用を余儀なくされています。効率を考慮した結果の選択で時代の波には勝てません。デジタルカメラの性能の向上は目覚しくメガピクセルの登場でそこそこのプリントが得られるようになりました。コマーシャルフォトの世界ではフォトレタッチに見られるように、後からの修正でシャープにもソフトにも加工することができます。写真を撮るときにあまり手間や時間をかけず、できた写真の修正で仕上げてしまうのが最近の傾向です。銀鉛写真は撮るときが勝負、これこそ写真の醍醐味でしょう。手を抜こうものなら必ずしっぺ返しが来ます。
 デジタルカメラが銀鉛カメラにとって代わる日はもうそこまで来ているような気がします。銀鉛カメラの中でも現役を退いたバルナック型ライカやスピグラを、味気ないデジタルの日々がきても私はこれらの古いカメラを使い続けていたいと思っています。

 デジカメ遊び3題。
1 フィッシュアイ
Click to enlarge it.  15年くらい前にサンフ ランのカメラ屋の店頭で口のうまいセールスマンに90ドルでワイドレンズ・ アタッチメントなるものを売りつけられました。50ミリレンズに付けると超ワイドに、ワイドレンズに付けるとフィッシュアイのような効果が得られる、というフィルターネジを利用するコンバージョンレンズ(NIKORA Super Wide 0.42x)です。旅行中に使った結果はおもわしくなく周辺のピントがいまいちでした。騙されたと苦々しく思った記憶が残っています。考えてみれば、高々90ドルで高価な魚眼レンズと同じ効果が得られる筈がありません。以後このレンズは長い間本棚の隅に眠っていました。これをデジカメに付けてみたらそんなに酷くなく写ることが分かりました(右の写真をクリック)。

2 超望遠レンズ
Click to enlarge it.  もう20年くらい前になりますが、スポーツ紙の広告に引っかかって買った望遠アッタチメントレンズです。バードウオッチングのほか一眼レフに付けると400ミリから1000ミリの超望遠効果が得られるというキャッチに騙されて数千円で買ったものです。ものは高倍率の単眼鏡で接眼レンズ(凹)の焦点距離(というのかどうか)を変えて400〜1000ミリの画角を得るものです。単眼鏡として覗いて見ただけでコントラストは薄く、写りの結果は見えています。撮影してみた記憶はなく新品のまま眠っていました。コントラストの低いイメージは撮ってみるまでもないと思ったからです。この単眼鏡のどてっ腹に穴をあけて三脚座を取り付けデジカメで撮ってみました。コントラストは低く少し色収差もありますが被写体によっては面白いイメージが得られます(右の写真をクリック)。

Click to enlarge it.  2003年8月は火星が地球に6万年ぶりに大接近とか。なるほど夜空を見上げると一際大きい赤い星が直ぐに見つかります。うす曇りでも他の星は見えませんが火星だけは丸く見えています。同9月9日は月と火星が大接近、といっても本当に接近するわけではありません。接近して見えるのです。この単眼鏡で月と火星のランデブーを撮ってみました。特に色補正はしていませんが火星はやはり赤く写ります。月の右下。

 考察
 35ミリカメラの24x36mmのフィルムサイズに対して、私のデジカメのCCDは対角線が僅か12.5mm(1/2インチ)です。35mmフィルムサイズよりうんと受光面積が小さいのが幸いしてか、あるいは数ミリから20ミリくらいのデジカメ特有の短い焦点距離がいいのか、とにかく上の二つのアタッチメントレンズはフツーのカメラでは使い物になりませんが、デジカメでは実用になり、十分遊べることがわかりました。

3 ビデオ用ワイドコンバージョンレンズ
Click to enlarge it.  私のデジタルカメラは35mmレンズ換算で40-120mm相当の光学3倍ズームがついています。ワイド端の40mmはちょっと不満です。できれば28mm相当が欲しいところです。試しにビデオカメラ用の Kenko x0.5コンバージョンレンズを買ってみました。インターネットオークションで見つけたので値段は安かったのですが、これは明らかに失敗でした(右の写真をクリック)。
 このレンズをつけると40mm x 0.5で20mmの超広角画像が得られる筈でした。ところが使ってみるとサンプル写真のように広い画角は得られますが周辺の像は流れ、ごく中心部を除いて色収差が出て使い物になりません。試しにズームを少し引いてみましたが中心部でも明らかに画質の劣化がみられます。x0.5に起因するのか、ビデオ用だからいけないのか原因はわかりません。因みにオリンパス純正のデジタルカメラ用ワイドコバージョンレンズの倍率はx0.8しかありません。


 デジカメ(コンパクト型)選びの5ヶ条
 
 1 画素は100万以上あれば可。
   500万画素 A3
   340万画素 A4
   200万画素 六切
   130万画素 キヤビネ(2L)
   が十分高画質なプリントで楽しめる。
 2 光学式ズームがついている方が望ましい。デジタルズームだけはNG。
 3 ファインダーがついていること(昔は無いものがあった)。
 4 電源は単三型電池を使うものが望ましい。ニッケル水素電池が経済的。
   専用電池を使うデジタルカメラは予備の専用電池を最低2個は買っておく。
 5 大手カメラメーカーのものは外部ストロボやアタッチメントレンズなどが使えるモデルもある。PL、ソフトフィルターなども楽しめる。レンズのフィルターネジに取り付けるアクセサリーなら何でも遊べる。

 因みに私はこれらの条件に「ネック・ストラップが使える」を付け加えました。もちろん価格が予算内であることがトップの条件でしたが。もうひとつ、縦長のカメラは個人的に好きではありません。また、コンパクトデジカメにはレリーズケーブル用の穴がありません。超望遠撮影のときには絶対必要なものです。リモートコントロールユニットを使うのが対応策です。リモコンを買いましたが、もっていない頃の月のクレーターの写真はやむ無くセルフタイマーを使いました。
 デジタルカメラは気軽に使え、よく写るので重宝していますが、単純なだけにすぐ飽きてしまいます。いろいろなアタッチメントがつけられるカメラなら、工夫して楽しむことができます。新しいイメージの発見にもつながります。
 主な用途はWEB用ですが、プリントもキヤビネ〜六切なら200万画素でも十分楽しめます。(T.Kubo)

 200万画素といえば、最近ソニーのDSC-U40という名刺より小さい超コンパクトカメラを手に入れました。上に書いたデジカメ選びの条件から言えば失格ですが、メモ用としてはなかなかよく写る使い勝手のいいカメラです。ケータイでも200万画素は珍しくない時代ですが、レンズがいまいちのような気がしてこのカメラの魅力に嵌(はま)りました。いつでもポケットに入れておけるコンパクトさは昔のミノックスを思いだします。
 光学系はズームレンズではなく単焦点5mm、F2.8、4群5枚(非球面レンズ1枚)のレンズが付いています。画角は35ミリカメラ・レンズ換算で33mmレンズに相当します。35mmレンズのつもりで撮ってみると、意外にも28mmに近いのパースペクティブ(遠近描写)が得られるのには驚きました。今までのデジカメとはちょっと違う描写を楽しむことができます。
Civicもスポ−ティに見えるワイドレンズ
 超コンパクトカメラはいろいろあって迷いましたが、決め手になったのは電池です。指定は単4ニッケル水素充電池なので将来的にも安心、またアルカリ乾電池にも対応するので緊急時には24時間営業のコンビニに飛び込めば事は足ります。故障がなければ5年でも10年でも使えるでしょう。
 単3電池も充電できる充電器が標準でついてきます。メモリーはメモリースティックDUO8MBが標準でついていますが、これでは「いかにも」なので64MBに交換しました。ちょっと不便なのは光学ファイダーがないこと、小さい液晶なので遠景の撮影には苦労することがあります。しかしメモがわりのカメラとしては文句のつけようのない逸品です。(Apr 2004 T.Kubo)

  SONY Cyber Shot U DSC-U40
1 大きさ 82.8×39×26mm(最薄部20.9mm)、重さ(約83g) 撮影時 約114g
2 CCD サイズ 1/2.7型 総画素数 210万画素
3 画像サイズ 最大1,632×1,224pix
4 合焦範囲 AF=0.1m〜∞、マクロAF=フルレンジAF

 ケータイ電話とカメラ機能
ケータイ200万画素の撮影画像  カメラ機能のないケータイを探すのが難しいくらい最近はケータイカメラが定着してきました。30万画素程度の「写メール」専用から300万画素くらいまで機種はさまざまです。そもそもケータイカメラはサムネイル(親指の爪)クラスの画像をメールでやりとりすることから始まりました。最近ではSD(mini)カードなどを補助メモリーに使った機種が増えています。音楽やデジカメ画像を保存するためにケータイ内のメモリーでは容量が不足するからでしょう。このSD(mini)カードなどの外部メモリーはPCのハードディスクと同じ規格のフォーマット、フォルダーで互換性がありPCにつないでの読み書きは簡単です。このメモリーの中にDCIMというデジカメでお馴染みのフォルダーがあり、中にケータイ撮影の画像が保存されます。ケータイに実用的なデジカメが組み込まれたと云っていいでしょう。
ケータイ300万画素の撮影Tele画像
ケータイ300万画素の撮影Wide画像
 30万画素クラスの撮影レンズの性能はイマイチでサムネイルくらいの大きさでは問題なくても、VGA(640x480)サイズで撮影すると不満がのこります(四隅の像の流れ、色収差など)。100万画素以上になるとレンズ性能もそれなりに良くなり十分鑑賞に耐えるプリントが得られるようになりました。最近では光学ズームのついたケータイも珍しくありません。フラッシュが無いだけで同クラスのデジカメと同じくらいの性能を発揮するものと思われます。200万画素で1632x1224、300万画素では2048x1600picsの撮影サイズが得られ、六切(8x10インチ)位のプリントでも十分なクォリティを発揮します。
 高校生時代から常時携帯したいと思ったカメラに端を発し、マミヤスーパー16、ミノルタ16、ミノックスやオリンパスXAなどを使って来ましたが、ケータイ内蔵カメラがこのように実用の域入った現在、これらのカメラは全く不要なものになったと言っていいでしょう。(T.Kubo、2006年記)


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