それでもライカを買いますか


 ライカブーム
 今はライカブームと言われています。オートフォーカスを含む超ハイテク技術の結集、大きく重い、電池がないと写らない、など現在のカメラに対する愛好家の反動なのかも知れません。

 レンジファインダー
 一般にライカという場合、距離計連動モデル(RF)を指します(もちろんライカには優れた一眼レフもあります)。RFモデルでは現行のM6シリーズがスペック的には一番優れています。

 M3かM2か
 M3、M2のどちらを買ったらいゝかという質問をよく受けます。当時の人もこの点は悩んだようです。
 どっちがベターかというには、どんなレンズを常用するかで判断すべきだと思っています。M3は45年くらい前のカメラで50〜135mmのレンズに、M2は40年近く前のもので35〜90mmにファインダーが対応しています。従って、もしM3を買ったなら35mmレンズを使いたくなったとき、M3専用の35mmレンス(メガネ付き)を買うか、外付けファインダーを取り付けて使うことになります。一方M2はファインダーの倍率やフィルムカウンターなどM3の品質に対して若干劣る点もあります。

 RFモデルはM3、M2の後、M4、M5(TTL)、M4-2、M4-P(28mm対応)そして今のM6シリーズへと続きます。

 操作は面倒
 RFライカはレンズにもよりますが、最短撮影距離が約1メートルと接写には向きません。M3、M2、M4シリーズは露出計が入っていないので撮影時に絞りやシャッターを自分で決めなければなりません。着脱用の専用露出計もありますが、ライカのアクセサリーは概して高く、中古市場でこれらを見つけるのは困難な場合もあります。

 値段
 中古ライカの値段はモデルや程度にもよりますが、よくオーバーホールされたものだとボデーだけで10〜25万円くらいはしています。レンズは50mmレンズでも一本5〜10万円くらいでしょうか。殆どスナップにしか向かない中古カメラにこんな値段ですから、よほどメカマニアかマニュアルカメラ好きにしかお薦めできません。極端に安いライカは修理不能であったり、改造されていて本物ではない可能性もあります。クラシックカメラの世界では改造品は嫌われます。自分の名前をボディに釘で彫ったものやキズの多いものは比較的安く買えますが、ライカの完成された美しさとの引換になります。

 オーバーホール
 私の持っているライカは大半が10年以上前に買ったもので、値段は今の3分の1くらいだったでしょうか。その後オーバーホールに、新品カメラが何台も買える金額をつぎ込んでいます。
 「故障の原因のほとんどは使わないでしまっておくことです。いつも使っていればそう壊れるものではありません。」、ライカメンテの第一人者安田和世さんの言葉です。オーバーホール体験記

 何故ライカか
 ライカがプロの写真家によく使われていたのは30年以上も前の話です。「ライカでなければ」という神話は今の時代には通用しません。私もライカ好きですがスナップ専用と割り切って使っています。適当にメンテしていれば一生使えるのがライカです。ホールドがいゝ、シャッター音が小さいくらいがその他の利点でしょうか。40年以上写真をやっていますが、昔憧れたライカへの郷愁みたいなものがあるのかも知れません。

 ライカは良く写るか
 もちろんイエスです。たゞ、良く写るという基準がないので自分で写してみて判断するのが一番だと思います。たゞ、何十万円もするから10万円以下のカメラより良く写るという判断は誤りです。写真を撮る道具として考えるなら、私は一眼レフの方がはるかに勝っていると思っています。
 シャープさ一辺倒では語れないのがレンズの良し悪しで、そこにライカレンズに対する魅力が出てくるのです。私は戦前や1950年代のレンズが好きです。フレアっぽくて使えないという先輩も大勢います。空気が写るなんて難しいことは言いませんが、その場の雰囲気の伝わってくる写真が撮れることもあり、モノクロでは階調の豊かさが他のレンズより優れているようにも思えます(多分に収差のせいと言われますが)。景色を綺麗にカリっとシャープに撮るにはもっと適したカメラがいっぱいあります。しかし、中近距離のスナップは中古ライカで十分です。人がいなくなるまで待ってシャッターを押すか、私は人が来るのを待ってシャッターを押す方です。

 以上が私のライカを使った感想です。何故か愛着のあるカメラであることは確かです。(1999年1月 T.Kubo)






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