優れた連動距離式カメラ ライカM3

仕 様


 戦後、1960年代半ばまでは距離計式カメラが活躍してしていた。中でもこのライカM3、国産のニコンSP(Sシリーズ)やキャノン7はその代表格である。何れもレンズ交換式でありながら内蔵の距離計に正確に連動する超高級カメラである。これらのカメラは、今写真を撮ってみても現在の高級一眼レフとは優劣のつけがたい画像を提供してくれる。接写や超望遠撮影などの仕様は一眼レフに譲るものゝ、広角撮影やスナップには侮れないものが距離計連動機にはある。

優れたファインダー機構
Finder Illust
 特にライカM3はそのファインダー機構が素晴らしい。等倍(0.93倍)に近いビューファインダーは両目を開けても被写体を正確に見ることができる。ファインダーは明るくブライトフレーム(写る範囲を示すファインダー内の白い枠)はくっきりと白く、まるで裸眼で見ている景色を目の前に映し出されたフレームによって切り取るような錯覚に陥ることがある。


Finder Image, 50mm and 90mm Frame

Finder image


 ライカM3はそのファンダーが等倍に近いが故に、ブライトフレームは50、90、135mmと望遠側に寄っていて35mmなどのワイドレンズを使うには制限を受けることになる。このため、めがね付きのズミクロンやズマロンがM3だけのために用意されたのも事実である。これらのレンズを装着するとファインダー倍率は0.7倍程度に落ちてしまう。めがね無しの普通のワイドレンズを使う時は、別に外付けの ブライトラインファインダー を使うことになる。
 現在の35mmレンズは標準レンズとも言える範疇(はんちゅう)にあるが、当時は50〜58mmが標準レンズ、40mmは準広角、35mmは広角レンズとして明確に位置付けされたいた。28mmレンズに至っては超広角レンズの部類であった。
 ニコンSPは28mm、キャノン7は35mmまでのファインダーが内蔵されていてワイドレンズにも対応していた点は特筆すべきことである。ライカM3に不満を持つとしたらこれらのワイド系のファインダーがないことだろうか。ライカMシリーズは次のM2で35mm、M4-Pで28mmのフレームが内蔵されるようになった。



Leica M3 Photo


距離計連動式35mmカメラ

メーカードイツ Ernst Leitz Wetzlar
製造初年1954年(〜1968年)
フィルムライカ判 36枚撮り
ピント合わせ二重像合致式
ファインダー逆ガリレイ式
レンズズミクロン 50mmF2.0(5群6枚)最小絞り F16
シャッターフォーカルプレーン B、T、1 - 1/1000秒 XF接点
撮影最短距離0.9m(3フィート)