推薦文

豊かな経験、わが国ビッグバンド界の名門

NHK−FM”ジャズクラブ”担当
スイングジャーナル元編集長
児山紀芳

 ジャズ発祥の地アメリカでは大学はいうに及ばず中学校や高校でも学生バンドによる演奏活動がきわめて盛んで、それが指導する側のレベル・アップをいやがおうにも推進する結果になっている。米国内のキャンパスでは、これとは別に夏期休暇などを利用して有名バンドを招いてのクリニックやコンサートも盛んで、これが若い学生たちの音楽への関心、興味をつのらせ、感性を磨く一助となっていることもよく知られている。
 ジャズの名門バンドとして世界にその名を知られているスタン・ケントン楽団やウディ・ハーマン楽団やメイナード・ファーガソン楽団(映画「ロッキー」のテーマ音楽で有名)などは、こうしたキャンパスでのクリニックやコンサートで学生たちの間で人気をつちかってきたわけだ。
 日本では、早くからビッグ・バンド界の雄として名声を高め、今年でバンド結成50数周年になる宮間利之とニューハードが、アメリカのケントン楽団やハーマン楽団と同様のキャンパス・コンサート、クリニックでここ十数年来大成功を収めているのは”指導する側”のレベル・アップがまさに望まれているからだと思う。
 ちなみに宮間利之とニューハードはレコードを通じて日本国内での多くの賞に輝いているほか、1974年は米西海岸のモンタレー・ジャズ祭、1975年には由緒あるニューポート・ジャズ祭、1984年にはフランスのニース国際ジャズ祭、その後も海外の著名なジャズ祭に出演して絶賛を浴びるなど、過去何回も国際舞台で活躍してきた我国ビッグ・バンド界の名門、その豊かな経験と多彩なレバートリーのなかから考案されたキャンパス・コンサート・プログラムは、ジャズを知らない生徒たちにまで音楽を聴く感動を体験させるにちがいない。
 

無形の情操教育としての成果に期待

映画・音楽評論家
野口久光

 クラシックと同じく音楽として鑑賞にたえるジャズを目指して長年コンサート活動とレコーディングに輝かしい実績をつくってこられた宮間利之さんの率いる「ニューハード」が今回、高校生、中学生から小学生までを対象にした学園でのジャズ鑑賞会をシリーズ活動として行われているときいて、大変うれしく思います。
 かつて低俗な音楽とみられていたジャズは、こんにち世界の国々で平和、自由、そして人間愛を願うヒューマンな現代音楽としてひろく鑑賞されており、ジャズのよき伝統、精神を踏まえたニューハード・オーケストラのナマ演奏が、感受性ゆたかな若い人たちに音楽のよろこびを身近に体験させ、無形の情操教育としての成果を実らせることができるものと信じております。
 

若い人にうける本格派ジャズ

トロンボーン奏者
ニューハード・メンバー
岡田澄雄

 私はニューハードに入団してかれこれ10年になります。この間100校以上の学校音楽鑑賞会に出演しました。ステージの上から多くの若者たちを見てきました。ロック世代の若者に正統派ジャズを聴いてもらうのは嬉しいことです。共通して言えることは、今までジャズに接したことの無い生徒たちもプログラムの最後の方では、殆ど全員が手拍子で応えたり、体をスイングさせジャズサウンドに体を預ける姿に変わっていることです。おそらく最初は少し軽く見ていたジャズもその本質に触れると頭よりむしろ体が反応してしまうのです。ジャズ、それは多彩なスタイルを生み出す自然な音楽、日常カジュアルに楽しむ音楽です。そして、それらを創造するのが多才なアーティスト達です。
 ジャズっていうのは演奏のスタイル、とその精神なんです。だから同じ曲でも演奏する人間が変わると全くもう内容が変ってきます。その人にしか無いオリジナリティ、これは誰にも真似ができないし、コピーもできない、その人が今ここで演奏しているその瞬間だけここに存在するもので、そこがジャズの素晴らしいところです。「ジャズに名曲なし、名演奏あるのみ」とはよく言ったものです。是非、その瞬間のニューハードのフルバンドが奏でる本格派ジャズを聴いていただきたいと思います。


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