名トランペッターのアル・ハートは店の奥で「プゥー」というガス音(?)でお客を歓迎したそうだ。 ミノックスというスパイ映画によく出てくるカメラ、手のひらに乗るくらいの超小型カメラである。この手の小型カメラにはオモチャ的なものが多いが、これはドイツ製の本格的超精密級カメラである。フィルムは世界一小さく幅は9ミリしかない。ネガの大きさは人の爪くらいしかなく写りはそれなりに悪い。スパイ映画ではこのカメラで隠し撮りしたカットが四切(24.4x29.5cm)くらいの大きな印画紙にくっきり写っている。が、簡単にああはいかない。実際に四切や半切(四切の倍)に伸ばしてみても、かなりザラついた酷い写真になる。
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ドイツ製の超小型精密カメラと聞くだけで、カメラファンにはたまらない響きがある。もう30年も前のことだが、このカメラにホレて中古を買ってみた。なかなかきれいなカメラでボディにはゴツゴツした突起がない。ZIPPOライターより少し大きいくらいの大きさでポケットに入れても邪魔にはならない。海外出張には普通のカメラを持っていったが、ポケットにはやはりミノックスを入れていた。手軽なのでスナップはこのミノックスの方が出番が多かったように思う。今でもこのカメラは現役で時々白黒フィルムを入れて撮っている。まじめに取り組まないと絶対にうまく写らない、少しでも手を抜こうものなら酷い結果が待っている。デジカメとはエライ違いだ。現像を自分でやり、出来たネガはスキャナーを使いパソコンで楽しんでいる。おかげで暗室は物置になってしまった。
当時、ジャズに凝っていた私はニューオリンズに強引に仕事を作って出かけた。ニューオリンズにコンピュータ関連の仕事は皆無といってよかったが、私の扱っているコンピュータがたまたまミシシッピー河口にある造船会社で使われていた。この会社のシステム調査という名目で一週間ほど滞在することにした。昼間は一応仕事らしいこともしたが、毎夜ジャズ漬けライブを楽しんだ。昼間、古い街並みバーボンストリートを散策しているときにスナップした一枚である。
四切に伸ばしたこの写真をサクランボの奥に飾ってもらった。
写真がいいからではない。夏はクーラーの風が直接ミュージシャンに当たるので、丁度いい大きさの風よけになるからだ。T.Kubo |