|
|
前日の東京は、12月としては記録的な大雪に見舞われた。この日も朝から気温は上がらずまるで冷蔵庫の中のような寒さだった。7時半過ぎに始まったライブは例によって2部構成だが予定を1時間以上もオーバーし、アンコールが終わったのは11時を少し回っていた。場内は大変な熱気で外の寒さなど忘れてしまうホットな雰囲気だった。変則の火曜日のライブにもかかわらず超満員だった。 「さくらんぼ・ニューヨークカルテット」 アルトサックスの林文夫のチェルシーカルテットのメンバーにニューヨークからドラムの田井中福司を迎えた特別編成、ベースは藍沢エイジ、ピアノは佐藤雅史。それにテナーサックスの高橋康廣(SUN-CANCION)がゲストに加わり、大阪からは田井中のドラムに影響されドラムを修行中の女性ドラマー川口ミカも素晴らしいサウンドを披露した。MCは林文夫。 田井中福司 ニューヨークでもう22年も活躍している世界的なドラマー。有名なルードナルドソン・カルテットで長年レギュラードラマーとして活躍しその録音にも参加した。世界的な名ドラマーとして知られている。 |
さくらんぼのライブはいつもフランクシナトラがバックで笑いかけている。おそらくは日本に1枚しかないこの写真、シナトラ香港公演の貴重なポスターをマスターが持ち帰ったものである。しかしこの日のバックは様子が違っていた。そこには、シナトラに代わってこの8月に若くして他界した横山静子さん(田井中さんの奥さん、享年58歳)がこのライブを静かに見守っていた。横山静子といえば1980年代後半デュークエリントン楽団のレギュラーピアニストとして4年間全米を回り、楽団初の女性プレーヤーとしてその名前は世界に知られている。日本でもご主人田井中福司、金澤英明(b)とのピアノトリオのファンも多い。横山静子さんは以前サクランボライブにも出演したことがありこの夜は馴染みのファンも多かったようだ。初めて聞く田井中福司のドラムは、これが本場のサウンドなんだろう、普段とはちょっと匂いの違うドラムが響いていた。ジャズのドラムは何か威圧的なものを感じることが多々あるが、田井中さんのそれはどこまでも他の楽器との和として存在し、ほとんど叩きっぱなしの3時間その和が崩れることはなかった。ドラムの音がソフトといっても表現がプアでそのニュアンスを伝えるのは難しいが、彼のライブを聞いたものだけが理解できる特権だろう。そのリズムはまるでその中からメロディが聞こえてくるようなやさしく、かつ力強いストリームが場内に降り注がれていた。10 Dec 2002 T.Kubo |
![]() | ![]() | ![]() |
|---|---|---|
| 佐藤雅史(p) | 林文夫(as) | 田井中福司(dr) |
![]() | ![]() | ![]() |
| 藍沢エイジ(b) | 高橋康廣(ts) | 川口ミカ(dr) |