Invitation to the Jazz Live
Report 13
大野雄二ピアノトリオ


帰ってきたルパンIII世 Vol2
 「大野雄二ピアノトリオ」
 秋の夜長を、静かなしかし力強いピアノトリオを満喫するのはなんとゴージャスなことだろう。
 帰ってきたルパンIII世、あの大野雄二トリオが5月の初ライブ以来またサクランボにやってきた。二度目のライブである。
 8時定刻にはじまったライブは何のリハーサルもなく、すーっと演奏に入っていった。Autumn in Newyorkなど、スタンダード2曲、立て続けの演奏で始まった。今夜も2部セットの構成だが、迫力ある演奏は観衆に全く息をつかせる暇もなく予定を大幅にオーバーし、最後のルパンIII世のテーマが終わったのは23時をとっくに過ぎていた。大野雄二のエネルギッシュなアクションから出るピアノの旋律はどこまでもリニアに伸びてサチることがない。誠に気持ちのいいサウンドである。とにかく観客全員が全ての曲に聴きほれ、全く私語や雑音は聞かれない。もちろんジャズライブには拍手、指笛、イェーなどタイムリーなかけ声はつきものだ。ジャズをこよなく愛するサクランボの聴衆だけにマナーの良さ、質の高さはミュージシャンのノリを誘うのだろう。今夜もミュージシャンとの一体感は最高潮、サクランボライブならではの雰囲気は健在だ。

 あいにくの雨にもかかわらず、立ち見が出るほどの盛況ぶり。大半がヤングというのだからルパンIII世の人気もまだまだのようだ。今夜も楽屋は客席にとられ、お陰で大野さんたちは立ったままの休憩を余儀なくされた。笑って「ミュージシャンが座って休憩できるようではダメだ」とは大野さんの弁。「xxのライブでは観客が5,6人しかいなくて十分休憩できた」とも。本物のアーチストはやはりちがう、あくまで観客が中心というエンターテナーのサービス精神には頭が下がる。

 サクランボは8月に防音工事をしたことは先にどこかでレポートしたが、5月の同じライブとは明らかに音そのものが変化している。ピアノ、ドラム、ベースのバランスがよく、特にベースのこもりは全くなくなっている。バランスがいいとはピアノトリオの場合ドラムやベースがピアノを邪魔しないという事だ。とにかくどの曲も聴いていて気持ちがいい。このことを大野さんに話したら、「いや、弾いていても気持ちのいい音だよ」と納得のいく応えが返ってきた。リスニング環境が夏以降大幅に改善されたことは疑う余地がない。大野雄二トリオの次のサクランボライブは12月25日。帰りにこの予約をしていく人が何人も見られた。Oct 19 2002, T.Kubo



大野雄二ピアノトリオ
山下弘治大野雄二村田憲一郎