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TOKYO JAZZ 2003 8月23日、東京調布の「味の素スタジアム」でTOKYO JAZZ 2003が始まった。翌24日との2日開催だ。このサッカー専用スタジアム(FC東京、東京ベルディのホーム)は去年まで「東京スタジアム」と呼ばれていたが、どういうわけか今年から「味の素スタジアム」に名前が変わった。地元ではアジスタと言う。事情はよくわからないが財政的な事情があったのだろう。TOKYO JAZZ 200x は去年に続いて2回目。 東京は冷夏が一転、両日とも猛暑になった。涼しい日が続いていただけに、この暑さは半端ではない。プログラムには魅力的なミュージシャンがリストされているが、ほとんどの席(ピッチ)は直射日光がもろに当たって音楽鑑賞どころではない。全部を聞いてみたい気持ちもあったがこの炎天下では体がもたない。夕刻に始まるハービー・ハンコックのピアノトリオをターゲットに出かけてみた。 日は陰っても、風がなく配られた団扇(うちわ)がまるで役に立たない。アリーナ席は昨年同様食べ物の持込は一切禁止、飲み物はボトルの水だけがOK、それ以外は一切NOという厳しいものだ。ピッチ(芝生)を保護するための制限だろう。 アリー ナ席といってもミュージシャンは豆粒ほどにしか見えず、巨大なスクリーンを通して彼らの表情を見ることができるという、巨大スタジアムならではのジャズライブである。バックスタジアムに反射する耳障りなエコーはスタジアムの中なので我慢するとしても、PAの設定が悪いのか各楽器間の強弱がまるでないサウンドには直ぐに飽きがきてしまう。ドラムもピアノも同じ音量で聞こえていた。ロックコンサートの雰囲気だ。しばらくアリーナ席で鑑賞したが、音量が強烈なのでスタンドの自由席に行ってみた。そこはスピーカーからの距離がある分、まだ適量なサウンドが響いていた。どうも最も遠いスタンド席を基準に音量がセットしてあるようだ。本来サッカースタジアムという場所柄、全ての場所での適当な音量を確保するのは不可能だろう。それにしても、各楽器の音が同じ大きさに聞こえるのはどうしたことだろう。巨大ドーム故、ミュージシャンはどこから見ても豆粒くらいにしか見えない。なら、一番音量のバランスのいいスタンド席、それも自由席が一番いい席ということになる。チケットも安いので、本当のジャズファンには、マジ、スタンド自由席がオススメである。ただここでは、ジャズライブで自然発生的に起こる観客の手拍子とスクリーンに映るミュージシャンのアクションにはズレがあって戸惑ってしまった。ステージまで100メートル以上あるのだろうか。 珍しいハービー・ハンコックのピアノトリオ。往年のファンとしては期待するものも多かったが、曲目は新しいものばかり。一曲くらいはスタンダードなものがあってもいいと思うのは昔のハービーを知るファンの偏った願いかも知れない。ミュージックに国境はない、来年もやる、ハービーのメッセージは英語でもわかりやすいトークだった。若い頃の背筋のピーンと伸びた演奏姿勢だけは今も変わていない。 出演予定のダイアナ・クラールがウイルス性感冒のため、次のステージはチャカ・カーンがハンコック・トリオに加わった。代役にチャカ・カーンが急遽出演するあたり、さすがはハービー・ハンコックの責任プロデュースと思わせるものがある。このステージを見ただけでも、行ってよかったと思ったのは私だけではないだろう。息つくひまもなく聴き入ってしまった。 僅か2ステージの鑑賞だったが得る物はあった。来年もその時期になればまた行ってみたくなるだろう。24 Aug 2003 T.Kubo |