Invitation to the Jazz Live
Report 26
WE3、前田憲男ピアノトリオ


We3、今夜もサクランボは超満員
 「We3、前田憲男ピアノトリオ」
 花冷えとはこのことか、朝から冷たい雨が降り続いて夜になっても止む気配はない。本当に寒い一日だった。満開の桜が散ってしまわなかったのがせめてもの救いだ。あのWE3、凄いトリオがまたサクランボにやってきた。
 WE3(ウイスリー)のメンバーは前田憲男(p)、荒川康男(b)、猪俣猛(dr)のコンビ、半世紀もこのメンバーでやっている日本ジャズ界の草分け、ジャズ辞典的な存在のピアノトリオである。今夜のライブも絶妙なバランスの演奏で始まった。円熟したアーチストの奏でる調べは時間を忘れさせてくれる、あっという間の3時間だった。
 第一部はスタンダードナンバー、「ウォーキン」で始まり、以後の曲は前田憲男次第で何が出てくるかわからない、とはMCの猪俣猛。「酒とバラの日々」「I left my heart in San Francisco」などのポピュラーなナンバーが次々に出てくる。MLBが開幕したばかりで「Take me to the Baseball Game」などのサービスも忘れない。「アメージング・グレイス」、しっとりしたピアノの調べに聴衆はうっとりして一部が終わった。
 第二部は頭にハッピーバースデイのサービスがあり、後は全てリクエスト。「50数年やっているので大抵の曲は知っている。ジャズじゃないものもやります」と、MCは前田憲男に変わった。「After you've gone」でスタート。「この曲は長いことやったことがないなぁ」と言いながらもスッと入っていく。ご婦人が多いせいか「慕情」「枯葉」「カサブランカ」「星影のステラ」などムード系のリクエストが多い。「Mac the Knife」では、待ってましたとばかりのジャズサウンドが延々と続く。「イエスタディ・ワンスモア」のリクエストが出た。「偶然、知っているのでやってみる。歌った人はもう亡くなった(カレン・カーペンターのこと)。」と言いながらあの懐かしい調べが流れはじめた。何か心に甦るものがあるのか、涙するご婦人もいた。「チュニジアの夜」で二部が終わった。アンコールはウォルト・ディズニーの「星に願いを」、猪俣猛はことのほかこの曲に想いがあるそうだ。全員がもっと聴きたいという思いを持ちながら今夜のライブが終了。また、時間をおかずに来てくれるだろう。5 Apr 2003, T.Kubo


今夜のWe3、前田憲男ピアノトリオ
前田憲男荒川康男猪俣猛