さくらんぼトピックス

Jazz Live House さくらんぼ物語
提供:調布ドットコム


 ローカル(京王線柴崎駅南口)にジャズのライブハウスがある。咲蘭房(さくらんぼ)。
 2002年4月、開店7周年記念のイベント「ナンバーワン・グループシリーズ」のひとつ原朋直カルテットのライブに行ってみた。ジャズをライブで聴くのは実に30年ぶり、最後に行ったライブは確かニューオリンズのバーボンストリートに点在する小さなレストランだったように思う。さくらんぼの40席ほどのシックな店内の雰囲気はニューオリンズ滞在中に毎夜通ったそんなライブハウスの雰囲気を想い出させてくれる。何気ない店内の装飾にも粋(いき)が感じられ、オーディオ装置もJBLスピーカーをはじめ世界超一級のシステムで固められ、ライブのない平日でも音質のいいジャズを楽しませてくれる。本格的な大人のサロンだ。

 さくらんぼのオーナー、ジョージ・岡田(澄雄)さんは、ジャズ・ミュージシャンとして現在も引退することなく世界有数のビッグバンド「ニューハード・オーケストラ」のトロンボーン奏者として表舞台で活躍している。
 『ジョージとは、もう25年も前なんだけど、僕のルパン三世のアルバムをいっしょにやっていた頃からのスタジオ仲間で、そんなに大きくない人だけど、もの凄い太い音を出すバストロンボーンの名手で、バストロンボーンというのは”ブリッ”とか”バリバリッ”という音がいい音なんだけどなかなかそんな凄いのを出す人はいない。バストロンボーン奏者では日本の第一人者です。』 とはここのライブによく出演する人気ジャズピアニスト、作曲家でもある大野雄二さんの言葉だ。
 ジャズ・ミュージシャンに下積み時代の逸話はつき物だが、ジョージにはそういった話は一切ない。若い頃からスタジオミュージシャンとして活躍していた彼には3万曲を超えるレコーディングの実績がある。この記録は今後も破られることはないだろう。今日、レコーディングのバックは先録り、シンセサイザーやコンピュータ音源で代用されることが多く生演奏バックによるレコーディングは皆無といってもいいからだ。
 フランクシナトラ来日公演(4回)、香港公演(1回)のバックのバストロンボーン奏者をつとめたことでもその実力が証明されている。また、若かった頃の彼は来日したジュリーロンドン(歌手)のバックをつとめたことも・・、と言えば往年のジャズファンにも名奏者であることが納得頂けることだろう。
さくらんぼでの両ジョージ
 ところで、トロンボーン奏者岡田澄雄がジョージ・岡田と呼ばれるようになった経緯(いきさつ)を知る人は少ない。米国で活躍中のジョージ・ロバーツといえば、その美しい音色でバストロンボーンをソロ楽器として位置づけた先駆者である。ジャズ・ミュージシャンとしても世界的に知られている大御所で、いわばジャズ・アーティストの神様的存在でもある。スタンケントン楽団やヘンリーマンシーニ楽団で活躍、フランクシナトラ、サミーデイヴィスJr、サラボーン、エラフィッツジェラルドのショウやレコーディングにベーストロンボニストとして常時参加、今でも「ミスターベーストロンボーン」として世界のジャズ・ミュージシャンの尊敬を集めている。若い頃からバストロンボーンの奏者として頭角を現していた岡田をいつしか周囲は日本のジョージ(・ロバーツ)と呼ぶようになった。
 かつて、日本音楽家ユニオン主催の「100トロンボーンズ・コンサート」という企画があり、世界の超一流のトロンボーン奏者が東京にやってきた。1997年10月17日のことである。もちろんメンバーの中にはジョージ・ロバーツもジョージ・岡田も入っていた。その翌日、ジョージ・ロバーツは数ある誘いには目もくれず、ロイド・エリオット(tb)と共にさくらんぼにやってきた。日本のミュージシャン、片岡輝彦(tb)、片岡雄三(tb)、向井滋春(tb)、嶋津健一(P)、田鹿雅裕(D)、山下弘治(B)そしてジョージ・岡田(b-tb)が加わってのライブ「ハリウッド・コネクション」が開かれた。ジョージ・ロバーツは本国でも多忙でライブに出演することは滅多にないという。この時の様子は米国の新聞にも紹介されている。この時の観客は100人を超えたという。
 しかし、日米のバストロンボーンの両ジョージが初めてミートしたのはこの前年でジョージ・ロバーツがクリニック(演奏指導)のため初来日したときである。ジョージ・岡田が今ニューハードで吹いているバストロンボーンは彼からプレゼントされたもので、George Robertsの愛を込めたサインが見られる。
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 ジャズに対するこだわりは誰にも負けない!
 と、自負する岡田さんは世界の大物との共演から本物のスゴさを学び、本物を愛する心を多くの人に伝えたいと毎週土曜日にライブを開いている。有名なトッププレーヤーが続々と出演する。かつて、ジョージ・グラハム(tp)、ロイド・エリオット(tb)、ビル・ワトラス(tb)、ジョージ・ヤング(sax)、ジム・ピュー(tb)、ライマン・カイザー(tp)やルー・タバキン(sax)、何れも世界の超一流現役プレーヤーがここに出演したというのだからスゴい。この数年のライブレポート(抜粋)を見ても出演アーチストの凄さがわかって頂けると思う。出演するミュージシャンは口ぐちに「観客の質がいい」、だから「ノれるんだ」。本物のジャズライブがここにはある。
 柴崎は京王線の中ではマイナーな駅のひとつだが魅力ある、日本有数のジャズ・スポットであることは間違いない。

 アクセス:南口改札口がプロムナード。目の前、すぐわかる。さくらんぼの前が柴崎駅といった方がいいのかも知れない。

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時計の謎

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